ますの「かま」って、食べたことありますか？

クラッシックの名曲などで知名度はあっても、食材としては富山県以外であまり馴染みのない魚です。

「ぶりやマグロのかまなら食べたことあるけど、ますはないなぁ」という方、多いのではないでしょうか。
「ますずししか食べたことないから、脂が乗ってるイメージもないなぁ」と思っている方は？

そんな方のために、今回は「天人楼　ますかまうま煮」をご紹介します。
どうぞ、ますかまの魅力を知ってください。

富山県の代表的な駅弁ますずし、その老舗メーカーである源が販売しているお惣菜シリーズの中に、ますかまのうま煮があります。

富山駅中央改札横の「お土産処　富山」で私がそれを購入したのは、県外に住む友人に贈る前の味見としてでした。

一箱が一人前サイズで、580円。「ちょっと高いかなぁ」と思っていたのは、食べるまでのこと。

時間をかけてコトコト炊き込まれたますのかまは、骨と身の境がわからなくなるほど柔らかく、歯がいらないほど簡単に口の中でほどけていきました。

甘じょっぱい味付けなのに、くどくなく、とろけるような深い旨味にどんどん箸が進みます。

どうしてこんなに美味しいんだろうと、思わず箱に書かれた原材料を何度も読み返してしまいましたが、きっとあれが脂の乗ったますのかまの旨味なのでしょう。

一人前、580円。ちっとも高くありません。

納得の美味しさでした。

試してみたい方は富山駅のお土産処か、源オンラインショップへ。
Amazonでも販売していますが、源の他の商品とのセット売りで、ますかまうま煮のみは在庫切れしており取り扱いがありません。

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今でこそ老舗ますずし屋さんとして県内外に知られる源ですが、実は江戸の頃は旅籠、そして明治時代には北陸有数の高級料亭旅館だったのです。

ますかまうま煮をはじめとするお惣菜シリーズに付けられた「天人楼」というのは、その頃のお店の名前なのです。

かまは一匹の魚からふたつしか取れない味の濃い貴重な部位、それを2日かけて丹念に煮込んで作ったますかまのうま煮は、当時は今よりずっと高級なものだったのでしょう。

多数の文化人や、ときに皇族も訪れたという料亭の味、一世紀半の伝統に思いを馳せながら味わうのもよいかもしれませんね。

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